ある晴れた日に

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身体を再びビクッと揺らして俺を睨んでくる。 「見たんだ……。光輝くんは」 怖い。 何だか魔女にも見えてもおかしくないぞ? 「はぁ……、最悪。男子に見られるなんてあり得ないよ……」 何だか急にしおらしくなり、落ち込んでいるようだ。 「悪かったよ!!ってか、事故だし仕方ないだろ!!」 必死に弁論するが、未だに落ち込んだままのようだ。 仕方ないか……。 財布を確認。 ギリギリだな……。 「おし! 綾瀬、今から喫茶店に行こうぜ!! ケーキ奢ってやるよ!!」 女の子はケーキで機嫌が直ると誰かが言っていた気がする。 でも、優利は『それってありきたりじゃん』って言っていたが、俺の金銭的にもそれ以上は無理でした。 「……うん」 まだ俯いて、真っ赤のままだったが小さく頷いた。 だから、俺たちは喫茶店に向かうことにした。
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