プロローグ

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  早速京介に言われた通り、クラスの皆をなるべく刺激しないように起こす。   俺の横に蘭がうつ伏せで倒れていた。   「蘭、起きろ。蘭。寝てる場合じゃねえぞこら」   背中を揺すると蘭は、ダルそうに身体を起こした。   「ん…涼平。おはよう。…ってか、え?え、何ここ…?」   真っ白な部屋とまだ目を覚まさずに横たわる皆を見て、当然の如く動揺する蘭。    ここからが俺の仕事。     「まずは落ち着いて。おはようじゃない。今全然おはようじゃないから。状況が良く分からんかもしれんが、とりあえずお前はあっちにいる西村達の方に行って皆が起きるまであいつらと待っててくれ」   西村の方を指差すと、 「はは、なんだよそれ」 と少し納得のいかない、というよりも状況が理解出来ないといった顔で苦笑しながらも素直に蘭は西村達の所へ行った。     京介程上手くは出来なかったが、 蘭以外の奴らにはもう少し丁寧に説明しながら起こしていった。   やがて最後の一人を京介が起こし、全員が一箇所に集まった。    
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