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「落ち着いたらそうだな…。涼平には俺と同じ事をやって貰おう。」
こんな状況でも普段と変わらない表情で話す京介は以前からクラスのまとめ役だった。
「いいかまず、クラスの奴らが目を覚ましてパニックにならないようにお前が起こしてやってくれ。特に女子だ。こんな状況なら誰だって取り乱すだろう。そんなのを見たら周りだって余計不安になって混乱する。見知った奴に起こされるのならさすがに騒ぐ事もないだろうし」
京介は、真っ直ぐに俺を見つめながら淡々と話す。
ように見えたのだが心なしか声が震えている気がする。気のせいだろうか。
周りも不安にさせない為に、強く見せているだけかもしれない。
「一人ずつ起こしながら、そうだな…んー…うん。今、西村達が居る所に集まるように指示してくれ。全員起こし終えたら皆で話そう。OK?」
少し離れた所で、既に目を覚ましている奴らを励ます、
西村 亜紀(ニシムラ アキ)
の姿が見えた。
彼女もまた、京介と同じように普段からクラスをまとめるしっかり者だった。
彼女達の方に目をやる京介に俺はなるべく力強く、了解の意を伝えたがもしかしたら声が若干上擦っていたかもしれない。
とにかくクラスの皆を起こそう。
自分でもわけが分からないこの状況でも平常心で居られたのは、京介の言う通りすぐ傍に見知った顔があったからなのだと思う。
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