奇妙な出来事

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「おい、しっかりしろ。時期が違って運が良かったんだ。それに、あの子がこの学校を選んでいたかどうかもわからない」 「そうね……。とりあえず、あの子が巻き込まれずに済んで良かったわ。でも、学校が全壊したんじゃあ、これからどうなるのかしら?」  その時、一本の電話が鳴った。  静香が落ち着かないまま電話に駆け寄り、受話器を耳に当てる。 「はい、もしもし?」  その様子を公平が見守った。 電話は全壊した学校先からだった。  ふと、そこへ眠そうに目を擦りながら真緒がやってきた。耳より数センチ下まで伸びたおかっぱの髪は、寝ぐせではねまくり、ぼさついている。 「パパ、おはよう」 「ああ、おはよう。今日は早いな」 「うん。早くに目が覚めて、なんだか寝れなくて」 「そうか」 「パパ、あのね……学校の事なんだけど……あれ? ママは?」  真緒は学校の話を切り出したものの、ためらった。  公平は学校と聞いてぎくりとする。 「ママなら電話中だ」  そう言って静香の方を見ると、真緒もつられて同じ方を見た。  それに気付いた静香がそそくさと隣の部屋へと移動する。真緒はなんだろうかと首を傾げた。 「で? 学校がどうしたんだ?」  いつものように振る舞おうと、公平が口を開く。が、わずかに声が震えた。
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