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『俺も血縁者には甘いってワケか……意外な発見だ』
「南元さん……?」
南元の発した言葉は、小さな声で、加えて揚羽には理解出来ない言語であったらしく、揚羽は、首を傾げた。
(そんなに態度が違ったのか、変えたつもりは、無かったんだがな)
自身の知らない一面に驚き、南元は、揚羽に笑い掛けると、ポケットから携帯灰皿を取り出し、煙草を捨てた。
「揚羽が気に入ったからと言っとくか」
「……よく分からないですよ。南元さんが気に入ってる人なんて、沢山いるじゃないですか」
困惑顔で揚羽が言う。
揚羽が知るだけでも、南元がお気に入りという人物は、何人かいる。
確実にお気に入りになっている部類に入るのは、銀月にガク、からかい半分に小泉や桐谷などだ。
それを聞き、南元は低い声で笑った。
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