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「そんな面しなくても、話してやるって。……まあ、座れよ」
南元から近くにある流木を指差され、ガクは、それに腰を下ろす。疑いの眼差しを向けるガクを南元は、面白そうに眺めながら、口を開く。
「さて、まずは……あれだろ?俺と揚羽の関係だ……アイツは曾孫にあたる。ああ、揚羽は何にも知らねーぜ?聞くだけ無駄だからな」
「アッサリ白状すんなよ…」
スッカリ毒気を抜かれたのか、緊張した表情を崩した。ガクは、深々とため息をつく。
もっと焦らした言い方をするかと思っていた為に、すっかり脱力を感じたのだった。
(ホントに読めねー人だな。南元さんって。真面目だったり、ふざけたり)
ガクは、片手で頭を抱えながら、離れた場所にいる揚羽をチラリと見た。
地元の子供だろうか、揚羽と同い年ぐらいの、少年とその妹らしき子と一緒になって砂山を作っているのが見えた。
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