第八話 「南元の目的」

4/13
前へ
/150ページ
次へ
「1人でいるの、嫌いなの…。誰かと一緒のが安らげるから」 ポツリと呟く様に揚羽が語る。 その様子が、とても寂しそうに見えて、銀月は何て声をかけるか戸惑った。 窓際のソファーに二人は、向かい合う様に座る。 「ね、銀月先輩って、死神になって何年経つのかしら?」 「んー、50年以上は経つな……老けないから、年月がどの位経つか、気にしなくなったけどな」 「……ガクは?二代目を継いで長いの?先輩たちって、休みの日は、お出かけとかする?どんな過ごし方をするのが好き?」 揚羽は、聞きたい事が山ほどあるのか、次々と質問を繰り出してくる。 銀月は、ひとつひとつ、丁寧に答えていく。 「ガクは、継いで数年以上だな……休みは、まあ……それぞれによるが、オレは、桐谷らと過ごすかガクの所に行くかだな~。揚羽は?」 「……ガクの所で過ごすのが殆どよ。こっちには、まだ仲良くしてくれる人は銀月先輩か、桐谷先輩に小泉先輩だけだもの」 質問に対し、揚羽は、大きな瞳を僅かに伏せた。
/150ページ

最初のコメントを投稿しよう!

97人が本棚に入れています
本棚に追加