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「綺麗でしょ!ママから貰ったのよ!ママもお婆ちゃんから貰ったと言っていたわ。ママたちは私の事を忘れてしまったけど、私は……ちゃんと覚えてるの。ママやお婆ちゃん……みんなの事を」
「……そうか、大事な宝物なんだな」
そう呟いた銀月は、身につけているモノクルにそっと手を触れた。揚羽の様な思い出は無く、過去の戒めとして身につけている親友の形見の品だ。
だが、家族や友人の事を忘れないでいたいという気持ちは同じだったのだ。
「そういう気持ちを持ち続けるの……いいと思うよ。オレも同じだからね」
「うん……有難う」
揚羽は、優しい微笑みを銀月に向けたのだった。
その後、揚羽は、ガクに会いに向かう為に、銀月と別れた。 銀月は、1人で談話室で物思いに耽っている所にある人物がやって来た。
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