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「……南元さん、1つ質問してもいいですか?」
銀月は、ソファーから身を起こすと南元をじっと見つめた。南元は、口元のみをつり上げる。
「……何だ?」
銀月は、脳内で考える、何を聞くか……過去の例や揚羽の事など様々にある。
だが、優先するのは、後輩の揚羽の事だった。
「揚羽ちゃんに何で関わるんでしす?元々は、桐谷が面倒を見る予定でした……なのに……」
沈黙が流れる……マトモに答えてくれるか、そんな不安が銀月の胸を横切った。
「娘みたいなもんなんだよなぁ」
ニヤリと笑いながら、いう南元を銀月は見つめる。
「娘さん……居たのですか?」
「気が遠くなる昔にな。とっくにくたばっちまったがな……」
南元は、片手に持ったライターを弄びながら、語る南元は、意外にも真面目な表情だった。
銀色に輝く、ライターには、揚羽蝶の刻印が刻まれている。
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