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「娘さんに似てるから、傍に?」
「さあな」
低い声で笑いながら、南元は答えた。先程の表情は無く、いつもの飄々とした表情だ。
南元は、片手をヒラヒラと振りながら談話室を出て行こうとした。
「南元さん!まだ聞きたい事が…」
「質問は、1つだけだろ?」
それだけ言うと、南元は、部屋を出ていった。
「……」
1人残された、銀月は、何ともいえない表情をしていた。
結局、何も分からないままだ……銀月は、頭を抱えると、ふとテーブルに置かれた物をみた。
「南元さんのライターだ。忘れたんだな」
何気なく持ち上げると、それを見た。
かなり古い品らしく、傷だらけだが、綺麗な揚羽蝶の刻印が印象的である。
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