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その頃、現世で、南元は、街を歩いていた。
「桐生は、前に進めたみたいだな。案外、早い成長ぶりだ……後は、死神連中だな……俺を追ってこれるかだ」
愉快そうに笑うと、南元は、空を見上げた。 青く澄みきった色をしている。
南元は、僅かに目を細めた。
「巡り合わせってモンはあるんだな。死神になって初めて、理解したぜ」
「どうかしたの?南元さん、独り言ばっかり言って…」
前を歩いていたた揚羽が、小走りに近寄り、南元を見上げた。
「何でもないさ、さて……行こうか」
南元は、笑みを浮かべると、揚羽に手を差し出した。揚羽は笑顔を浮かべると、手を取り、二人並んで歩きだし、人混みへと消えた。
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