ケース1 真鍋徹夜

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「じゃあ、早速面談に入らせてもらいます。……が。真鍋さん、緊張してるでしょ?」 「…え、あ…あっと……う、ぁ……は…い」 「ふふっ。緊張しないでください。緊張したままだと貴方が本当はどんな人なのか分かりませんから。ここでの会話が外部に漏れることはありません。相談時間もずらしてるので他の社員とバッティングすることもありませんから。リラックスしてください」 あたしは自分の最大の武器である笑顔を真鍋に見せる。 まずはお互いの距離を縮めること。 でないと本音を聞き出せない。 「じゃあ、改めて自己紹介をしましょう。私は矢坂樹里、今年で入社7年目。趣味はお酒を飲むこと」 さりげなく笑顔で自分のことも伝えることで相手の警戒心を解く。 「あ…よろしくお願いします。えっと…では、私も。改めまして、真鍋徹夜と申します。入社4年目、営業1課に所属してます。趣味は…映画鑑賞です」 あたしが自分で趣味を言ったために、真鍋もつられて趣味を口に出す。 .
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