0人が本棚に入れています
本棚に追加
新しい世界に行くには,電車を使った。
踏切を飛び越える勇気も要らなかった。
賠償金なんか,払う人もいないし,もうこの際誰に迷惑がかかろうとどうでも良かった。
----------
新しい世界の入口には,ゲートがあった。
そしてゲートの真下にいる門番に,
『お前の成りたい姿を浮かべろ。それが今日からの此処でのお前の姿だ。』
と言われた。
あたしにパッと浮かんだのは,どの女優にも負けない美しい女だった。
そしてあたしの体は今日から,どの女優にも負けない美しい女に変化した。
ゲートをくぐると
そこはごく普通の街並み。
日本でないのは明らかだが,
クリーム色のレンガでできた家々が並んでいて,人も現世みたいに動いている。
ゲートをくぐった所でぼーっとしていると,後ろから突然肩を叩かれた。
最初のコメントを投稿しよう!