romance

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新しい世界に行くには,電車を使った。 踏切を飛び越える勇気も要らなかった。 賠償金なんか,払う人もいないし,もうこの際誰に迷惑がかかろうとどうでも良かった。 ---------- 新しい世界の入口には,ゲートがあった。 そしてゲートの真下にいる門番に, 『お前の成りたい姿を浮かべろ。それが今日からの此処でのお前の姿だ。』 と言われた。 あたしにパッと浮かんだのは,どの女優にも負けない美しい女だった。 そしてあたしの体は今日から,どの女優にも負けない美しい女に変化した。 ゲートをくぐると そこはごく普通の街並み。 日本でないのは明らかだが, クリーム色のレンガでできた家々が並んでいて,人も現世みたいに動いている。 ゲートをくぐった所でぼーっとしていると,後ろから突然肩を叩かれた。
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