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「なっ!? ルックの馬鹿!」
ローズは眉をつり上げて叫んだ。ルックは肩を竦める。
「……?」
マリアとラックは顔を見合わせた。二人はまだ、理解が出来ていない様だ。
そんな二人を見てローズがため息をつく。
「聞こえていなかったのですか? 二人はこの城に住んでもらいます!」
「!?」
声に鳴らない叫び声を二人は同時に上げた。
そんな二人を無視してきっかけを作った本人、ローズはツカツカ歩く。
「ほら、さっさと動いて下さい! 二人の部屋を教えますわよ」
「あっ、うん!」
「え、えぇ」
二人は急いでローズの所へ走った。少し二人にはローズが言った事が気になる。
『二人の部屋を教えます』
まるで全てがこうなる事を知っていたかの様な、いい方だった。気になったマリアはチラリとルックに目を向ける。
ただルックは優しく彼女に微笑むだけだった―――。
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