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「えっ」
その場所に残された二人は固まる。美少女が積んでいた芋が庭に転がっていた。
「太陽に怯えてる?」
マリアが疑問を口に出す。ラックは何も疑問に思っていない様子だ。
「普通じゃない? 紫外線だよ。紫外線」
「でも、そんなんじゃなくって太陽に逃げる様だった」
「へ?」
ラックはそんな様子に見えなかったと首を傾げる。
「なんか気になる」
マリアは大きく固い扉の前に立った。ラックも隣に立つ。
「どうするんだ? マリア」
「普通の事を今からするの」
「は? 普通の事?」
「うん。調・べ・る 」
ラックは叫びそうになったが、マリアに手で口を抑えられる。
「静かにしてね」
それだけ言って扉をノックした。音が響く。少しの沈黙。そしてゆっくり扉が開く。
ギィィィっ
「あれ?」
ラックはまぬけな声を上げた。そこには誰も立ってはいなかった。
「どうやって開いたんだ?」
心底不思議そうに呟くラック。マリアはそれを無視して中に入って行く。
ラックはマリアについて行って、中に入った。
「大丈夫なのか?」
「知らない」
「あっさり恐い事言うなって!」
「だって、あの人が人間じゃなかったら私達はどうなるか知らないもの」
「人間じゃない?」
ラックは心配しながら周りを見回した。
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