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「ローズがこの二人を入れたのかい?」
「ルック! 冗談はやめて」
「はいはい」
美少年はツカツカとマリアの前まで来て、足を止めた。
「何でここに? 普通人の家を勝手に入ったらいけないよ?」
「あ、あの……」
声を出したのはマリアではなく、後ろにいたラックだった。
美少年はラックに目を向ける。
「俺が悪いんです。マリアは悪くありません。だからマリアは見逃してくれませんか?」
ラックが言った事を聞いた美少年は、顎に手を付ける。
「君が悪いんだね?」
「はいっ!」
力強くラックが返事をする。それを聞いて美少年は頷いた。
「ローズ。その子は許してあげてくれ」
美少年はマリアをじっとり見ていた美少女に言う。
「……えぇ」
美少女はマリアから目を離した。マリアは安心してその場に座り込む。
「で、君は何故ここに?」
ラックは嘘をつかずに本当の事を口にする。馬鹿馬鹿しい本音を。
「はい!…お兄さんの隣にいるお姉さんが美しかったからです!! その、友達になりたくって!」
少し照れ臭そうに二人を見た。
「と、友達……」
美少女が不思議そうに呟く。
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