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「い、嫌かな?」
ラックは不安そうに美少女を見る。美少女は混乱していた。
(私と友達になりたい? この人大丈夫かしら? 私が吸血鬼でも、いいのかしら?)
「私が吸血鬼でも、いいのかしら?」
想わず思っていた事が口からこぼれた。
「吸血鬼?」
ラックが不思議そうに呟く。美少女はハッとした。
(言ってしまった。吸血鬼って)
美少女は不安そうに美少年を見る。美少年は首を振った。
「君達って吸血鬼なの?」
「え、えぇ。そうよ、人間」
苦しそうに美少女はラックに言う。
二人が吸血鬼と知って、マリアがポツリ言った。
「吸血鬼って10年前に吸血鬼狩りで全滅したんじゃあ……」
マリアが言った事を聞いて、美少年は大きく頷いた。
「あぁ、殺されたよ。俺達の母上も父上も殺された。生き残ってるのは俺達だけだよ」
美少年はマリアをチラッと見て説明をした。
「な、何で殺されたんだ? 吸血鬼って不死身なんじゃあ……」
「そうよ。弱点は太陽に当たると灰となって消えるの。噂では、吸血鬼狩りの吸血鬼食いとか言う奴が食ったとか」
美少女が悲しそうに呟いた言葉で、ラックは声を上げた。
「あっ! だからさっき庭にいた時も逃げたのか?」
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