告知と覚悟と

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 ボクは動揺してる。風邪か何かの病気だと思っていたら、実は性転換してしまう奇病だと言われたら、たぶん殆どの人が動揺するんじゃないかな。喜ぶ人は………いるのかも知れないけど。男のボクが動揺するんだから、女の子が男にってなると、もっと大変だろうな。自分から性転換したいわけじゃないんだから。  お母さんは治療法がないから、女の子になる覚悟もしておいてとも言ってたけど、正直どんな覚悟をしたらいいのか…。 「ここのお医者さんが色々お世話してくれるそうだから、瑞穂も頑張らないとね」 「……うん」  せめてもの救いは、生死の問題にはならないこと。今回の入院費とか、高校の学費とかが免除されることかな。お母さんが病院の先生から聞いてきた話だと、高校からっていうのもボクの負担が少ないだろうって。  中学や高校に在学中だと、周りの目に堪えられなくて転校する子もいるみたい。自殺しちゃう子もいたとか。  あ、あの女の先生が来たのは、ボクが女の子になるからなのか。今さらだけど納得。
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