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「あ~、え~と……」
あたふたと慌てるかと思いきや、案外冷静な対応ができる自分に少々びっくりする。
「ん、まあ良いじゃねぇの」
そこへ割って入ったのは光太郎本人だった。
「沙姫が俺の名前を言うのに嫌悪されたら、それはそれで精神的にダメージが大きいからな」
言って、光太郎はラノベを読むのを再開する。
「そうね」
ミュウと静香も詮索するのを止める。
友達同士で名前を呼び合える仲になれた――それは喜ばしい事だから。
「でも、何で急に?」
やはりと言うか、そこだけは静香も気にしたようだ。
「私にもサッパリ」
肩を竦める沙姫。
光太郎は“その理由を知っていた。”
それは、一昨日に遡る――。
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