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「俺がイレギュラーな存在なのは分かる。
でも〝創造の化身〟の役割を押し付けられる理由が見当たらねえぞ」
ちゃんと〝創造の化身〟たるベロボーグは確かに存在する。
わざわざ光太郎にその仕事を代わってもらうのもおかしな話だ。
「そこら辺はどうなんだ?」
たまに「話せない」と返答も来るので、そう言ってみる。
滝川がちょっと言いづらそうに顔をいぶかしめ、
「本当に、見つからなかったんだ……」
「はい?」
見つからなかった――って、事は……
「ひょっとして、ベロボーグを見失ったから、俺に代役を務めさせたのかよ?」
そいつは大変迷惑な話だ。
見ず知らずの他人に訳の分からん仕事をやらせるなど――。
「す、すまない」
滝川は咄嗟に土下座する。
見事なまでに流れる動作だった。
光太郎も言いたい事はたくさんある。
「まっ、今は良いよ。他にも聞きたい事はあるからな」
謝罪はその後に――光太郎は不適に笑うのだった。
主人公のはずなのに……。
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