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「あ~、ひ~ま~だぁ~」
自室でベッドの上にゴロゴロと寝転がる。
「マンガ読みながら言ってんじゃないの」
光太郎の部屋に沙姫も入っていた。
「普通は暇な時に読むもんだろ?」
と、適当に答えながらマンガを読み進める。
「それよか、どうした? 俺の部屋に来るなんてよ?」
マンガを脇に置き、上半身を起こす。
「アリアから手紙が来たのよ」
光太郎に手紙を向ける。
それは暗に受け取れと言っている。
「俺に?」
アリアは『皇光太郎=アームズ』という事は知らない。
つまり、これはアームズ宛のものだ。
「どれどれ?」
何の気なしに光太郎は黙読する。
『久しぶり――って言うのも変かな? ついこの前会ったばかりですからね。私はあなたに多大な感謝をしています。私を励まし、母さんを救ってくれたあなたに。
パルトナからあなたは人間だと聞きました。今度は面と向かって会って話したいと思います。』
―――あ~、そういえばいつだったかパルトナに言ったんだっけか。
手紙を読みながらそんな事を思った。
「にしても、アリアは律義だな」
光太郎なら「めんどくさい」と言って終わらせてしまうだろう。
「光太郎と違ってね」
本人は無意識だろうが、彼女は皮肉気に言う。
光太郎は何も言い返せずにいた。
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