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石剣と黒刀の鍔ぜり合いは続く。
「ぐっ!!」
そんな拮抗の中で遼太は一歩退く。
力を緩めた為に、ジョーカーはバランスを崩して前へつんのめる。
「はっ!!」
黒刀を縦に思いっ切り振る。
「バレバレなんだよ!!」
ジョーカーもこの程度の策略に気付かぬはずはない。
ジョーカーは更に一歩踏み出して石剣を横に薙ぐ。
「くっ!?」
ほぼ反射的にガードをしてしまう。
それがいけなかった。
二度目の追撃があったのだ。
石剣を叩き付けるように振るって来る。
もちろん、それは計算されての反撃だ。
石剣の刃は――遼太の左肩に襲い掛かる。
「ぐ……あぁっ!?」
皮膚が焼けるように痛い。
服越しに斬られ、赤い血が滲んでいる。
堪らず2,3歩よろけてしまう。
ジョーカーがその隙を見逃すはずもなく、是非もなく斬り掛かる。
「遼太様!!」
朔が2人の間に入る。
その手にはナイフがあり、投げ付けた。
「っ!?」
投擲されたナイフをジョーカーは全て紙一重で回避する。
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