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「ふあ~、めんどくさいな授業ってよ」
昼休み。この学校――光陽学園初等部――は弁当の日と給食の日とで毎週入れ替わる。
今週は弁当の週だ。
光太郎は屋上で沙姫、ミュウ、静香と弁当を広げている。
「そんな授業の愚痴を言う資格があんたにあると思ってるの?」
真っ先に切り返したのは沙姫だ。
この世界で身寄りのない光太郎は彼女の家に居候させてもらっている。
彼の弁当も沙姫の母親のお手製だ。
「いい加減に授業中に退屈凌ぎでライトノベル読むの止めなさいよ」
「はあ……」とあからさまに毒付いてみる。
彼と一番近しい所にいるせいか、いつの間にかアニメオタクの専門用語を覚えてしまった。
「まあ、良いじゃねぇの。お前にも貸してやるよ『俺と彼女が勇○と○王で生徒○長』とかさ」
「ほとんど伏せ字意味ないし、それって最近『バカテ○』のパクリとかで……」
「バーロー、面白かったんだぜ。だから俺は信じてる。いつの日か『た○し』みたいに次巻が出るのを」
「それは叶わない願いになるかもね」
沙姫のツッコミのスキルが格段にアップしてる。
しかも、無駄に専門知識を得たが故に細かい所の返しができる程に……。
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