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魔王
「さて……おおよその事情は執事から聞いたものの…」
「姫君、御自らが魔王のめかけなどに差し出される事について……お二方はどうお思いか?」
ガレット
「それは……愛する祖国と愛する民のためならば、偉大なる父でもある皇帝ガレオン・フェイ・ソワージュのためならばいかなる辱め(はすがしめ)も受けましょう」
クリスティナ
「わ、私も・・私も、人々が不幸せになるのを避けられるなら、どうぞこの身を魔王様の好きになさってください・・(若干震えながら)」
魔王
「では私が世界を破壊する気も人を殺す気もない・・争いよりは平和を望むと言ったら?」
「貴女たちはここに居る必要などなくなるわけだ。--・・というわけで話はここまで」
「故郷へ帰るといい・・貴女達だけでなく島に来たすべての娘たちも連れてな・・・」
ガレット
「--・・・それは聞けない話だし」
クリスティナ
「残酷な仰りのようですね」
魔王
「・・・どういう意味かね」
ガレット
「たとえこのまま国に戻ったとしても、私たちはすでにシャイナ・ダルクへ足を踏み入れた身の上・・・」
クリスティナ
「町娘とて同じようなもの・・・生涯を修道院で過ごすか塔の一室に幽閉されるか」
「魔王の生贄としてこの島に送られた者がどうして幸せになれましょう」
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