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本当は
そのちょっと変わった性格も、鈍感なところも、案外世話焼きなところも
ころころ変わるその表情も
癖になる甘いくちびるも
全てが愛しくて仕様がない。
他の男の目に触れさせず自分だけのものにして薬瓶にでも閉じ込めてしまいたい。
でも、すぐには言ってやらない。
「…聞きたい?」
武藤がたずねると、まどかは目をキラキラさせて何度も首を縦に振った。
武藤はニヤッと笑うとまどかの頬をつまんだ。
「クリスマスプレゼントが欲しいな」
「え!?あ…今からですかっ!?」
「何も高級なもん買えって言う訳じゃねぇよ」
「なんですか?できることならなんでも…」
「なんでも?」
武藤の爽やかな笑みを見てまどかがしまった!という顔をするがすでに手遅れだ。
「じゃあ一緒に風呂入ろ」
にっこり微笑む武藤とは対照的に、完敗したまどかはうなだれるばかりだった。
その後念願の風呂で、あんなことやこんなことを好きなだけまどかにしてやったのは言うまでもない。
お湯の中で疲れ果ててぐったりするまどかの耳もとで武藤が囁く。
「好きだよ。まどか」
「!!」
まどかは真っ赤になって口をぱくぱくさせている。
そんな姿が可愛くて、もう一度、今度は目を見て言う。
「好きだ」
「…うぅぅ~」
今度は泣いてるのか笑ってるのか分からない表情で涙ぐんでいる。
「他の男にそんなかわいい顔すんなよ」
あまりに反応がかわいいから、甘い言葉は小出しにしてやろうと考える武藤だった―――。
「…大好き。たかしさん」
破壊力はまどかにはかなわない。
またも赤面を隠すため武藤がまどかを抱き締めたのは言うまでもない。
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