12人が本棚に入れています
本棚に追加
「別に怒っちゃいねーけど…」
と言いつつ俺が手を差し出すと、
女は、
俺の手を引いて、
──車道へと、飛び出した。
トラックが迫る映像をスローモーションで見つつ、俺は過去の記憶を取り戻した。
その記憶とは、2年前、DV癖を持っていた俺が当時の彼女を刺し殺したもの。
記憶の彼女とあの女とは、見事に一致していた。
(衝突寸前。)(辺りを見回すと、彼女はもう消えていた。)
(私だけ死ぬなんて。)(不公平じゃありませんか?)
最初のコメントを投稿しよう!