1shot・青い空、赤い大地

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9時48分…。 後り2分で2限目が始まるな…。 俺…誉田 刃は自分の席に座ってそんなことを考えていた。 せっかくの休み時間、 友達と話していてもよかったのだが、 別にそんな気にならなかった。 だからずっと10分の間は 自分の席で 肘をついた右手に頬をあて、 左手でシャープペンを回しながら ひまな時間を過ごすのだった。 キーンコーンカーンコーン 9時50分。 2限目の始まりをつげる チャイムが校内に鳴り響いた。 チャイムと同時に 教室のドアが開き先生が 教卓へ上がる。 それを確認した号令係が 号令をかける。 平和な日常だ。 いや…平和というより平凡か? まあ、どっちにしろ暇だった。 だからこそ 何か起こらないかなんて 期待をしてみたりもした。 そんな時だった。 突然の凄い揺れと地響きのような凄い轟音。 それと同時に硝子が飛び散った。 刃 「うおわぁっ!?」 生徒A 「わああっ!」 先生 「みんな机のしたに隠れて!」 生徒B 「おわぁ!!」 生徒(その他複数) 「わああっ!」 「きゃああ!」 先生の言葉も虚しく 教室はパニックだった。 逃げようとする者、 慌ててお互い倒れ合う者、 割れた硝子で怪我をした者…。教室は大騒ぎだった。 その教室の中で冷静な行動をしていた少ない人間の一人に刃は居た。 刃は直ぐに机の下に隠れた。 たった一つの疑問を持ちながら。 “地震にしては揺れがおかしくなかったか?” それは彼の中にあった疑問だった。 そしてその疑問は 最悪の方向での答えとして 彼の身に答えてくれた。 ミシミシ… バガアアアア…ン…。 校舎が崩れたのだ。 一階にあったその教室は 数秒で瓦礫の下となった。
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