ツインズデイズ

Ⅰ ～入学、或いは募る思い～

そんなんだから、父さんと些細な事で喧嘩すると、決まって最後に父さんが泣きながら土下座するなんていう地獄絵図を目の当たりにしてしまうわけで。

ここまで来ると、もう「こりゃかかあ天下だな」とか呑気に笑いながら昼ドラを見ている場合ではないのである。あなた本当の修羅場ってご存知？

近所の奥様方からは、これは近代稀に見る女性の勇姿の象徴だとか何とか、結構な好評をいただいているようなのだが、息子の立場からすれば前ページの感想を繰り返すのみである。
その辺の価値観はよく分からん。

さて、こんな感じで我が家の第二の大黒柱を理解してもらえただろうか。

「………今あんたロクな事考えてないでしょうね」

味噌汁の鍋をかき混ぜながら軽く睨まれる。

追伸。家の中ではこの人に嘘は（ほとんど）通じない。
橋の下のシスターですかあなたは。