一章

9/49
前へ
/115ページ
次へ
 エクシブはそう言うと、その場にある一本の剣を片手にとり、ジャンクに伝える。 「外で待ってるから、いつでも来てくれ」  エクシブは言い終わるとゆっくりと出ていった。 「なあ、あんたの従者そこそこに腕はたちそうだけど、俺は本当に手加減出来ないぜ?」  ジャンクの言葉にココはクフフと、笑って答える。 「雇うからにはそれくらいでなくては困るの」  ココの言葉にジャンクはあきれた顔をして言う。 「あんた酷い性格してるな。いや、あいつを信じてるのか。まあ、俺は雇ってもらえればどっちでもいいけどね」  そう言って扉を開けようとしたジャンクに、ダグラスが告げる。 「ジャンク、悪いことは言わない、全力でいけ。そして──」  ジャンクに向かってにやりと笑い続けた。 「身の程を知れ」 「なっ!?」  思わず言葉を失うが、自分に対して過小評価されていることに苛立ったジャンクは、乱暴に扉を閉めて外へと出ていった。 「しかしお嬢、旦那相手じゃ厳しすぎますぜ?」
/115ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1496人が本棚に入れています
本棚に追加