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「さてと、どうするかな」
そんな一人言を呟くエクシブだが、足が向く先は決まっている。言うまでもなくギルドだ。
五大国の中継地となるだけあって様々な人種が行き交う街。
ふらふらとギルドに向かうエクシブはある人物を発見した。
黒い長い髪を後頭部で止め、それはまるで馬の尻尾の様に揺らしている女。
街娘にしては飾り気がなく、職人にしては軽く、汚れてもいない。
変わっていることといえば、人としての気配がやたらと薄い。
たまたま視界に入ったから気づいたエクシブだが、そうでなければ人がいたことにすら気付かなかっただろう。
だが、それ故に間違いない。
確信したエクシブは名前を呼ぶ。
「キックス!」
不意に呼ばれ振り向く女。
エクシブに気付き笑顔で近づいてきた。
「グラン=エクシブ! どうしたのです? こんなところで」
前回の事件で主犯として名前を使われていた暁の傭兵、黒蜥蜴ことキックスである。
「これからギルドに行って時間を潰そうかと思ってな。お前こそどうしたんだ?」
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