一章

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 ココの後ろにいる赤髪の少年に気が付いて声をかける。 「なんだよギルド長。文句あんのか?」 「このくそ餓鬼」  ダグラスは毒づいた後、ココに聞く。 「で、どんな試験をするんです?」 「ふむ、リンと手合わせさせてみたくての」 「えっ……、旦那とですかい?」  ジャンクはエクシブを見て聞く。 「……リン? あんた、リンていうのか」 「えっ、ああ。女みたいだろ?」  すると、ジャンクは気にするなよ、と言って続けた。 「あんた、俺が尊敬する傭兵と同じ名前だぜ? あれ見ろよ」  ダグラスの後ろに立て掛けられた大剣を指差す。 「あれは暗黒剣って言うんだが、その持ち主こそ狂神とまで呼ばれた傭兵だ。今は違反処分を受けてるらしくこの街にいるらしいんだ。あれだけ有名な傭兵だからな、きっとかなりでかいことしちまったんだろう」  瞳をきらきらさせて言うジャンクに、エクシブは思わず苦笑いする。 「まあ、同じ名前だからって手加減はしないけどな」 「それは手厳しい」
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