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一瞬でエクシブはジャンクの間合いを越え、一気に自分の領域にしてしまった。
振られた剣先は間一髪で鎖で止められているが、もし止められなければ今頃胴体と頭はさよならしていただろう。
ジャンクは額に嫌な汗をかく。
「相手が素人でも油断しちゃだめだ」
笑顔でエクシブは告げる。
「く、くそっ!」
ジャンクは鎖の先に付いた剣先を振りながら間合いを広げ、エクシブの届かない範囲から攻めていく戦法に出る。
縦横無尽に動き回り不規則に斬りかかって来る剣先での攻撃だが、まったくもってかすりもせず、いなされるか避けられるかだ。
しかもある程度近づいたところで攻撃までしてくる。
何とかエクシブの剣を受け止め冷や汗混じりに苦笑いで告げる。
「な、なかなかやるじゃないか」
「そりゃどうも」
しかし、余裕なのは言葉だけ、エクシブは依然、息すら切らさず。
汗すらかいてなさげな表情は、背筋に悪寒すらおぼえる。
「なぁ、あんた何者だよ」
ジャンクは間合いを空けつつ聞くと、にやりと笑いこたえた。
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