一章

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 一瞬でエクシブはジャンクの間合いを越え、一気に自分の領域にしてしまった。  振られた剣先は間一髪で鎖で止められているが、もし止められなければ今頃胴体と頭はさよならしていただろう。  ジャンクは額に嫌な汗をかく。 「相手が素人でも油断しちゃだめだ」 笑顔でエクシブは告げる。 「く、くそっ!」  ジャンクは鎖の先に付いた剣先を振りながら間合いを広げ、エクシブの届かない範囲から攻めていく戦法に出る。  縦横無尽に動き回り不規則に斬りかかって来る剣先での攻撃だが、まったくもってかすりもせず、いなされるか避けられるかだ。  しかもある程度近づいたところで攻撃までしてくる。  何とかエクシブの剣を受け止め冷や汗混じりに苦笑いで告げる。 「な、なかなかやるじゃないか」 「そりゃどうも」  しかし、余裕なのは言葉だけ、エクシブは依然、息すら切らさず。  汗すらかいてなさげな表情は、背筋に悪寒すらおぼえる。 「なぁ、あんた何者だよ」  ジャンクは間合いを空けつつ聞くと、にやりと笑いこたえた。
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