一章

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 前回の事件で負傷し、更に違反がバレてしまったエクシブ。傭兵としての依頼の更新と帯刀を禁じられ、街からの外出も制限された。  まあ、それは怪我しても動き回るエクシブを気遣ってのギルド長ダグラスと商人テランの優しさでもある。  その間、二人はテランの店で世話になっていたのだが、それならちょうど良いと、ココはそこで商人として働き知識と経験を積むことなった。  馬車や船等、大量の交易品をやり取りする本店と、ちょっとした物のやり取りをする商店があり、二人は後者にいる。  エクシブは店の待ち合いの端に座り本を読む、ちょっとした用心棒のようになっており、ココは見目の良さからあっという間に評判の看板娘となっていた。  狐の耳を三角斤で隠し、ラフェスト一家から貰った町娘が着るような上着にロングスカート、長く履いていても疲れない柔らかい革のブーツ。  最初に着ていたローブの姿とはうってかわり、店番でもしていなければいいとこのお嬢様だ。
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