二章

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「そうか」  エクシブも苦笑いで返した後、ふと気付く。 「キックス、ステージアにはいつ帰る?」  急に問われ怪訝な表情で返す。 「だから旅費がまだ足りないって。急ぎたいけど当分先だと思うけど──」  その言葉ににやりと告げる。 「条件によっては丁度良い帰りの足を紹介出来るが、どうする?」  条件という言葉に少し引っ掛かるキックスだが少しの間の後、ゆっくりこたえる。 「リン兄が無茶なことを言うとは思えない。でも……」 「よし、ならギルドに行こう。条件はそこで説明する」 「わかった」  まるで策略を思い付いた相棒の様ににやりと笑い、エクシブはキックスを引き連れギルドへと向かった。  程無くギルドに辿り着いた二人だったが、先程出たばかりのエクシブを見てダグラスは苦笑いする。 「旦那、いくらなんでも早すぎるぜ」 「人数に関して良いことを思い付いたんだ」  そんなダグラスの表情を無視し、間髪入れずに返すエクシブの言葉にダグラスは聞き返そうとしたが、その後ろにいるキックスを見て顔を歪めて言う。 「ギルドに違反を見逃せと?」
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