二章

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「でもあれは逃亡手段をつくる為の法ですぜ。警護として使えばただの違反じゃすまなくなる」 「わかってるよ」  あくまでも自らの命を守る為だけの法である。  そんな偶発的なものへの対策法を自発的に関わらせようとしているのだ。 「で、どう使うんです? それによっちゃあオレは立場的に止めにゃあならない」  ギルド長は他国にその力と存在を示す責任ある役職、何よりも法に遵守している。  だからこそエクシブの不可解な内容をしっかりと把握しなくてはならない。  そんなダグラスの言葉にエクシブは頷き口を開いた。 「ここにいるキックスのようにステージアに、戻りたい奴等とオレが編成する傭兵の合計二軍を編成しようと思う」  ほう、と呟き顎に手を添えて先を促すダグラス。 「先の事件で戻りたい奴等は沢山いるはずだ。剣を抜かずに監視のみで旅費がかからず帰れるならのってくるだろう」  しかし、ダグラスは顔を歪めて聞き返す。 「確かに数は多い。簡単に集められるでしょう。だが、襲われても役立たずじゃないですか。何度も言うようだが、警護として使えばただの違反。防衛抜刀は逃亡主軸なんですからね」
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