二章

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 エクシブはにやりと笑い言う。 「そう逃亡主軸。だが、それは相手しだいだろう?」 「──そんなこと!?」  まさかそんなことを! と言いたげなダグラスにエクシブは説明を続けた。  詳細を聞いたダグラスとキックスは呆気にとられた顔をしてエクシブを見る。 「旦那、よくそんなこと思い付きましたね」  ふっ、と笑いながらエクシブはキックスに問う。 「ココが居なければ思い付かなかった。そんなわけでかなめはお前になるわけだが……。のるか?」  キックスは顔をひきつらせてこたえる。 「詳細を聞いてから付いて行けば良かったと、後悔してます」 「決まりだ。人集めは頼んだぞ」  ダグラスは天井を仰ぎ見て言う。 「あーあ、こんなことなら変な老婆心出さずに、さっさと外に出しとけば良かった。怪我人だからと同情してると録なことになりゃしない」 「はいはい、悪かったよ。それじゃよろしくな。オレはそろそろ相棒を迎えに行かないと喰われかねない」  ひらひらと、片手を振りながら部屋を出るエクシブの背中に向かって二人は「喰われてしまえ!」と言うのだった。
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