二章

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「入り口で待っているからなー!」  わざわざ罠にはまりに行ってやる必要はない。  エクシブは店の前に置いてある椅子に座り、腕を組んで目を瞑る。  ココの気分によっては根比べとなるだろう。それをわかっていて付き合っているエクシブは、自嘲気味に笑うのだった。  紅く染まりだした空を覆うように黒と輝く点が現れ始めた頃、やっとココは店から出てきた。 「待たせたの」  すっと片手を顔の横にあげ悪びれた様子もなく言う。  エクシブも特に怒ることはなく頷くだけである。 「さて、次は酒場かの」  随分待たせた割に、ココが手ぶらなことに気付く。 「服は買わないのか?」  エクシブの問いに上げた手をぶらぶらさせながらココは言う。 「荷物を持つのも一度戻るのも面倒なんでよ、明日届けてもらうことにしたんよ」  愛嬌たっぷりな笑顔で続ける。 「明日見せてやるからよ、楽しみにしとくんよ」 「はいはい」  エクシブの適当な相槌が気に入らなかった様で、膨れっ面になって返す。 「男ならよ、新しい服を手に入れた女を少しはたてるものではないかよ?」
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