二章

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「そっちのお嬢さんにはわからぬだろうが、わしの名を知るグラン=エクシブならば大体予測はできるだろう?」  こくりと小さく頷くエクシブに満足気に笑い続ける。 「わしとしては寧ろ奮発したつもりだ。前回までの依頼を受けていたギルド長とは変わっていたから、多少首を捻ることになっただろうがな」  エクシブは苦笑いで頷き、申し訳なさそうな顔でグルーに伝える。 「実はかなり難解な問題と勘違いしまして、ちょっとした対策をたててしまったんですよ」 「ほお、確かに真正面から受ければ難解かもしれんな。それで? その対策とやらは聞かせてもらえるのだろう?」  獲物を見付けた猛禽より鋭い瞳で笑うグルーに最早たじたじのエクシブは、ひきつった笑顔でギルドでの話をした。 「──っ、と言うわけで、これが人数不足の警護を補う対策の全容です」 「ぬしはたまにとんでもないことを思い付くの」  静かに聞いていたココはぽつりとこぼす。  グルーと言えば、視線を空に泳がせて内容を反芻しているのか唸り声をあげてからエクシブに問う。
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