二章

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「今回、ベルレットキャラバンの護衛を任された、リン=グラン=エクシブだ。何名かは戦場で顔を合わせたこともあるな。これより三十人の部下を決める。中に入ってオレの前に並び、一人一人名前と所属団体、戦歴をこたえろ」  言い終わると静かにギルドへと入って行った。  傭兵たちはそれを見送った後お互い顔を見合わせると、我先にと並びだした。  五十もの人数の列はギルドから外にはみ出し異様な景色をつくるなか、エクシブの選別が始まった。 「ああして見ると、リンもなかなか立派に見えるの」 「普段は違うのですか?」  ココと共に外で待つセリアは問う。すると、うむ、と強く頷きこたえた。 「この三ヶ月、本読んでるかギルドにいるか酒飲んでるか、ため息ついてるか、と行動が安直過ぎての」  それもこれも、長時間姿を見せないと怒りだすココのせいでもあるのだが。  苦笑いのセリア、ふとココを挟んで反対側にいるキックスに気付く。 「あの、そちらは?」
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