二章

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 それからどれくらいたっただろうか。ギルドから出てくる者を眺めながら待っていたココは横にいたキックスに問う。 「傭兵は仕事に困っているのかの? 喜びかたが尋常ではないがよ」  ココが言うように出てくる者の様子が極端に違う。 すると、少し驚いた様子でキックスはこたえた。 「グラン=エクシブを過小評価してはいませんか? 大きな戦では無敗の十兵団、しかもそこで団長を任されるほどの人なんですよ。戦以外で共に働く機会なんて──」 「そう言う、お前は。過大評価では、ないか?」  熱く語りだしたキックスの言葉を一人の騎士風の男が遮る。 「誰が過大評……か?」  明らかに怒気を込めた声で振り返るキックスだが、その顔を見て一瞬で表情を変える。 「まさか、何故、貴方が──」  男はこたえず、にくるりと背中を向けて「──邪魔を、した」と、ギルドへと向かって行った。 「知り合いかよ?」  問うココへと振り向くこともなく、ギルドに向かう男を凝視しながらこたえる。 「知り合い、と言うか……、でも、なんで?」
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