二章

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「お前が、ここにいると、聞いて来た。ふらふらし過ぎだ。捜す方の、身になれ」  まったくもって話を聞かないルークにエクシブは呆れ顔でこたえた。 「手紙があるだろ。大陸中にあるギルドに送れば良いんだから」  傭兵にとってギルド程重要な場所はない。傭兵はどこかの団体に必ず所属していないといけない。つまり何処にいても号令がかかれば集まらねばならないのだ。  エクシブのような単独行動が長い者にとっては手紙の確認は日課となるのも当然なのである。  そんな便利な物があるにも関わらずたった一言の為にやって来たルーク。エクシブが呆れるのも頷ける。  回答を待つエクシブにルークぽつりと言う。 「……面倒だ」 「明らかに来る方が面倒だろ!」  エクシブは、即言葉を返すが、それを不満げな表情で見るルーク。 「──おまっ」  その様子に、更に何かを言おうとしたエクシブだったが、寸でのところでくすくす笑うダグラスに止められた。
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