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エクシブが面接を仕切り直しルークが外へ出た頃、一人の傭兵が全力疾走でギルドに向かっていた。
エクシブと手合わせをし、力の差を見せつけられた赤髪の少年ジャンクである。
ココはその姿を確認してにやりと笑う。
「ふむ、やっと来たかよ」
ジャンクは行列を無視してギルドの門を乱暴に開けると、開口一番に叫んだ。
「なんで、オレに、声が、かから、ないんだよ、グラ、ン=エクシブ!」
突然のことに驚くまわりを気にせず、ギルド長の前まで来ると、カウンターを両手で叩きつけるように大きな音をたてて言う。
「グラン=エクシブが一人じゃ辛いときは雇うって約束を忘れたのか!」
「いや、そんな約束は……」
ジャンクの訴えにエクシブは戸惑うが──
「……あいつか」
にやにやと笑う狐の顔が浮かんでエクシブは頭を抱えると、ゆっくり首を動かし、抱えた手の隙間からダグラスを見て言う。
「こいつは別件でオレが連れていく。双子にも伝えてくれ」
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