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「リン、どうするかの?」
この場合のどうするかは、やるかやらないかだ。
「ギルドに訴えられたら困るな」
エクシブの回答はやった後の話。
二人してまったく相手にしていないともとれるやり取りをする中、気配で一人増えたことに気付く。
「そこのお二人さん、お困りかい?」
囲う三人のうち、リーダー格の後ろに立つ少年。
赤い頭髪に女性ともとれる中性的な顔立ちに切れ長な目と首に枷を付けた風貌。
彼はにやりと笑ってエクシブたちに告げた。
「こいつら、片付けてやるから俺を護衛に雇ってくれよ」
少年の言葉に頭にきたのか、チンピラたちの矛先はそちらへと向けられる。
「先にこの生意気なガキからやっちまえ!」
「約束だぜ?」
少年はエクシブたちにそう言うと、三人の相手を始めた。が、勝負はあっという間についてしまう。
彼は鎖鎌のような特殊な武器で相手をいなし、まるで狼か何かの獣のように俊敏に動いては一人、また一人と倒し、気付けば最後の一人となっていたのだ。
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