二章

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 エクシブに言われ疑問符ばかり頭に浮かべるジャンクは、言われた通りにココを探し始める。  外にいると言うのだからそんなに離れてはいないだろう、と歩き出したジャンクだったが、それはもう気が抜けそうなくらい簡単に──。 「……見つけた」  三人並んでいる娘。  その三人のまん中、見覚えある者が片腕を高く挙げ、来い来いと手を降り、にやにやと笑いながらジャンクを無言で呼ぶ。  何やら身の危険を感じたジャンクはエクシブの一言を思い出し、あることに気付いた。 「たぶん、色んな意味でグラン=エクシブよりツヨイ」  ジャンクはおっかなびっくり警戒しながら近付き、ココの目の前に着くと口を開く。 「あの、えと、グラン=エクシブに言われて、いや伝え? られて、来たんだけ……お、伺い? したんですけど」  エクシブの注意事項を遵守すべく、使いなれない言葉にわたわたとするジャンクに、ココはくふふと笑ってこたえた。 「態度に気を付けろとでも言われたんだがよ。ウチはそんなあやふやな言葉よりは普通に喋ってもらった方が良いんだがの」
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