其の一

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俺は…なんか 『緑色の服を来たガキ』 の影だ。   コイツは、いつも俺の足を 踏んでいやがる。   …まぁ、俺は影だから 痛みは感じないが。     …でも影はツライな。 こちらの意志では動けない。 主人と同じ動きしかできんのは 影の宿命か………。     今日は、主人が森の守り神の 大木『デクの樹』に呼ばれた。   途中で『サリア』という少女の 影と出会った。 サリアの影は…         かなり無口で笑わない。     でも憎めないタイプの影だな。 影だから顔が分からないが。   大木の影とは初めて出会った。       …短気だ‼   …とてつもなく短気だ‼       俺たち『影』は、主人とは全く 正反対の性格を持つ。   だからこの大木は、現実では とても穏やかなんだろうな…。     主人と大木は何か話していたが 俺には分からない。   で、大木が口をあけた。 中に入れ、というコトらしい。   主人は、かなり入るのを ためらっていたようだ。 樹の中が、生き物と同じ構造を しているハズがないのにな…     いざ入ってみると、 中はいたって普通の 木の中だった。   ただ……
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