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冷泉寺 隆興【れいせんじ たかおき】
彼は若干12歳で「神童」と呼ばれた天才遺伝子学者だった。
幼児期からその非凡なる頭脳を見込まれて政府直轄の研究所に従事していた隆興が、仕事の傍ら数年研究を重ね、荒木丞邪【あらき じょうや】を造ったのは2年前のことだった。
隆興の興じた遊び……。それは、人間と生物との遺伝子同士の交配だった。
21世紀も終末にさしかかった頃、進みすぎた科学の犠牲になったのは、か弱き自然と野生の植物であった。
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