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「おーいカズ。来たゾ花火やんだろ?」 カズさん振り返ると 「あ…オレ博文呼んだんだった…」 それを聞いた真紀が 「え?でも2人いるよ?…ま、まさか…」 2人の顔色が変わっていく あたしには分かっていた 2人の影が見えた時に 真紀の肩越しにみえる中井さんの隣には ビニール傘を持った女の人 すごくキレーな人 その人があたしに気付いた 「初めまして私、亜矢。よろしく」 やわらかな声でそう言った 「愛です…はじめまして…」 そう言うだけで精一杯だった あたし…すごく惨めだ… 花火の間ずーっとあたしはいたたまれない気持ちでそこにいた カズさんのはなつロケット花火の雨を 2人がビニール傘でよけるのを見ていた… 今日あたしにした事なんて なんでもなかったかの様に あたしに気付いてないかの様に いつもの調子でみんなと話てる 2人の周りだけは違う空気が流れてる まるで形の合ったパズルみたいに ピッタリと2人がはまってる… そしてあたしは いつまで経っても 入る場所のないパズルの様だった……… 中井さんの心の中に あたしの入る場所は無かった すべて隣にいる女性の為の場所なのだ
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