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………
しょうがないからベンチに座って待ってることにしよう…
「よいしょっと。」
ベンチに腰かけて売店に売ってある物を見る
ボーっとしてると
目の前に ヌッ っとコーヒーが出てきた
ビックリして見上げると
中井さんがコーヒーを持って立ってた
「ほら。やるよオレのオゴリ」
「どうもです…」
「今日はごめんなぁー説教されて」
にっ と笑って隣へすわる
その時、ふわっといい香りがする…
見つめてる気付いたらしく
「何?」
えっ?『何?』って聞かれても…
「や、あ、あの…、いい香りがするなぁーと思いまして…アハッ」
やばっ!どもってしまった!!
「……あぁ。これか。」
そう言うと中井さんが小さなコロンケースを出した
それを腕につけて見せた
「【タクティクス】っていうんだコレ」
中井さんの香りにボーっとしながら呟いた
「タクティクス…」
シュッ!!
「!!!ひゃあっっ!」
中井さんがあたしに向かって
コロンをかけた
おもいっきりかけたらしく
制服がすごい事に…
「もー。すごいニオイ…」
「オレと同じ♪」
中井さんがあたしに微笑む
『同じ♪』とか言われてもなぁー
でも、今日の中井さんってちょっとカワイイかも…
はっ!!イカンイカン!!
つい、いつものクセで観察モードに入ってる場合ではない!!
でも、あぁ!カッコイイ…
そしてステキ…
なんて あぁ!あたしったらバカヤロー。
1人で赤くなったり青くなったりしていると
中井さんががこっちを見た。
ドキッ!!
め、目が合っちゃった!!
中井さん真剣な目になってあたしを見つめる…
ヤバイ…目が離せない…
顔が赤くなってくのがわかる
目線をずらそうと下を向こうとした時
中井さんの手が頬に…
顔が少しずつ近づいてくる…
思わず瞳を閉じた…
その時くちびるが触れた
「!!!」
タクティクスの香りがする……
嘘でしょ…彼女がいるのに…
―― もうすぐ夏が終わる ――
夏の空気とタクティクスの香りが胸を締め付ける
切ないSummer Kiss…
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