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ここは、荒廃した土地にある村のひとつだ。
この村の名前は、ミズラック村という。
常に風が吹雪き、その風を利用して風車を使い、農作物を育てている村だ。
老人が五割、若者が三割、子供が二割。
村の人口はたった三十名弱の小さな村である。
殆どが老人で構成されている。
ここら近辺は、前の戦争の後、ミズラック村を含め、村が二つ三つ残っているだけだ。
人口はミズラック村とほぼ変わらない。
前の戦争が何の為に行われたのかは知らないが、数十年前にここの大陸の王都は滅びた。
噂では神の禁忌にふれたのだとか、
高度な科学技術が暴走し神の怒りを買っただの、伝染病によって軍隊が滅びただの、
後でとって付け加えたような他愛無い噂話が流れているだけで、真実は闇の中だ。
前の戦争が終わったのは半世紀も前の話。
その戦争で生き残った者たちが三つに別れそれぞれの村を興し
た。
その三つの村が、ミズラック村、アスラフィール村、エリオン
ヌ村だ。
どの村も農業が主流で残された自然と共に生活している。
また、戦争で残った遺跡や物資を採掘するのも生活の一部であり、
護身術を身に付けるのもこの興廃した土地で必要不可欠のものだ。
今、この大陸はその三つの村で機能している。
そして、互いに交易しあっているが、三つの村は余り仲が良くない。
交易の最中に意見が合わず、殺し合いに発展してしまう事も少なくない。
特に、アスラフィール村は血の気の多い集団の村であり、武装技術にも優れた村である。
エリオンヌ村は、とかく謎の多い集団の村で物資の交換や交易のみの場合でしか他の村とは一切関わりを持たない。
このミズラック村は、自給自足を常とし自然と共に生き、生きる為の護身術を身につけ、自然と共に営みをしている。他の村に比べたら比較的穏やかで社交的だ。
しいて言えば、他の村と変わっている所といえば、
僕がいるこの村には一生に一度の大人になる為の儀式があることだ…。
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