いつも、となりに

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 空が青い。  それに溶け込むように、白い雲がふわふわ浮かんでいる。  そよぐ風が見えるような気がした。  いま、私の心は落ち着いている。自分でも不思議なくらいに。  私の身体は泥だらけで、右脚の臑は外側へと折れ曲がっている。骨が折れているんだろう。顔は汗だか、それとも涙だかでぐしゃぐしゃで、左の二の腕は先程切られた傷口がぱっくりと口を開けていた。  血がどくどくと流れている。もうすぐ死ぬんだろうな、と思った。先ほどまでは酷く暑かったのに、今は寒いぐらいで。特に手足、頭が氷に漬けられたように冷えている。  
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