いつも、となりに

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 出血死ってこんな感じなのか……。  指を動かしてみようとする。やはり動かない。身体を横たえている固い草の感触だけが背中にあった。  悲しいとか、恐いとか、そういう感情は過ぎ去っていた。もうあいつは諦めたのだろうか。  考えようとして、やめる。死ぬ間際に考えることが、自分をこんな目に遭わせた奴のことだなんて嫌だ。  ふと気付くと、先程まで、視界の真ん中に浮かんでいた雲が無くなっていた。  雲は流れている。私はここで、こんな山の中で、ボロ布のように倒れて死んでいく。血は未だに流れ続けている。動脈は外されたのだろう、少しずつ、少しずつ血液が失われていくのを感じた。  ゆっくり死んでいく。それが良いのか、悪いのかはわからない。何だか身体の全てが痛くて仕方ないけど、不思議にそれにも慣れてきている。  けれど逃げる気力はもう無い。
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